メンバーが語るXGモバイル推進フォーラムへの期待

2025.02.25

次世代モバイル技術の普及と発展を目指して活動を続けるXGモバイル推進フォーラム(XGMF)。
私たちは、通信技術の未来を切り開き、人々の生活を豊かにするためのプラットフォームとして、革新と協力を大切にしています。その原動力となるのが、XGMFを支えるメンバー一人ひとりの情熱とビジョンです。
本記事では、メンバーがそれぞれの視点から語る「XGMFへの想い」をご紹介します。メンバーがこのフォーラムに込める思いと、それを通じて目指す社会や技術の未来を共有することで、XGMFが描くビジョンをより身近に感じていただけることでしょう。
XGMFが切り開く次世代モバイルの未来と、それを支える人々の熱い思いを語っていただきました。

  • 森川博之氏
  • 共同代表
    森川博之氏
無線通信は5Gで助走しながら6Gで成熟していきます。社会のすみずみに浸透することで、通信領域に限らず多様な産業領域で新たな市場が産み出されます。この新しい市場の開拓に資する場としてXGMFを使い倒していただきたいというのが私の想いです。総務省への要望、広報/マーケティング、中立性を活かしたステークホルダーの巻き込みなど、XGMFの使い方はいろいろとあると思います。会員企業の皆さんの事業に役立つ場にすべくお手伝いいたします。会員の皆さんお一人お一人が主役です。XGMFを使い倒していただけるととても嬉しいです。
  • 中尾彰宏氏
  • 共同代表
    中尾彰宏氏
XGMFは、5Gの普及とBeyond 5Gの研究開発を推進する組織として、グローバルな合意形成を軸に、戦略的かつ効率的な投資を実現することを目指しています。5Gのインフラ整備や投資サイクルには遅れが生じ、多くの国々で5Gの真価が発揮されず、マネタイズの課題も浮き彫りとなっています。
通信インフラへの継続的な投資が困難になっている中で、これからの投資は、各国のプライオリティ(優先事項)の重なりを早期に見極め、アラインメントを取りながら、標準化するべき技術に選択と集中を行い、効率的に進めることが不可欠です。5Gや6Gの発展には、堅牢性、高性能、広域カバレッジ、省エネルギー、高度なモビリティといった「グローバルで合意される価値」を基盤にすることが重要です。これらの共通価値をいち早く特定し、国際的な標準化の動向を見極めながら、的確なタイミングで技術開発と市場形成に取り組むことが、限られたリソースを最大限に活かす鍵となります。
Beyond 5Gでは、「AIを繋ぐネットワーク(Network for AI)」、そして「ネットワークのためのAI(AI for Network)」を実現することが重要なテーマとなります。「Network for AI」は、AIがシームレスに連携し、超大規模なデータ処理を可能にするインフラの構築を指し、「AI for Network」は、ネットワークの自律的な最適化や障害予測を実現するためのAIの活用を意味します。例えば、AIの価値は、人間が気付かないことを予測し、自動で修復・最適化できることにあり、持続可能な通信インフラの実現に不可欠です。
Beyond 5Gは、6Gに向けた無線アクセスの進化(RAN)だけではなく、確定遅延と超低遅延かつ大容量のデータ伝送によりAIクラウドを繋ぐオール光ネットワーク(APN)、宇宙空間を活用することで、地理的な制約を超え拡張カバレージと堅牢通信を提供する非地上系ネットワーク(NTN)といった有無線統合の次世代通信技術が不可欠です。
“Alignment Makes an Impact”. XGMFは、国内外の企業・研究機関と協力し、各国の共通課題を早期に特定し、世界とともに成長する通信インフラを構築することを目指します。「グローバルで合意される価値」を基盤とした技術開発と市場形成を進め、国際社会とともに次世代サイバーインフラの未来を切り拓いていきましょう。
  • 川原圭博氏
  • XGMFファシリテータ
    川原圭博氏
3G通信規格に対応した携帯電話を手に入れた頃、手のひらに収まるデバイスから世界中の情報にいつでもどこでもアクセスできることに心が躍り、胸が高鳴った記憶は今でも鮮明です。そして、あれから四半世紀。次世代モバイル技術は、AI技術の驚異的な性能向上と融合し、私たちの想像をはるかに超える未来へと導いてくれることでしょう。XGMFは、情報通信産業に留まらず、多くの人々に開かれた組織です。産官学が共に手を取り合い、共創によって、もっとワクワクする日本を築いていきましょう。
  • 藤岡雅宣氏
  • XGMFファシリテータ
    藤岡雅宣氏
5Gは高速・大容量、ベストエフォートの前半戦から速度・遅延保証、高信頼の後半戦に駒を進めようとしています。5Gインフラが進化する中で、様々な産業界やスポーツ・エンタメなどがこれを使いこなし、新たなビジネスチャンスを見出すことが期待されます。その試行錯誤の中で、5Gでも足りないことがたくさん見つかるはずです。XGMFでは、5Gのユースケースを開拓していく活動と並行して、次の世代である6Gのあるべき姿を探っていきましょう。
  • 大山りか氏
  • XGMFファシリテータ
    大山りか氏
通信インフラは、1G、2G、3G、4G、現在の5G、そこから6G、7G・・・XGへと10年ごとに進化し続けます。私は2Gの終わりに通信業界に入り、「通信インフラが深化すると新しい価値が生まれる」と言われるその瞬間を何度も目の当たりにしてきました。これまでは人が使う通信が主流でしたが、これからはモノが通信を利用する時代が到来します。さまざまな産業が通信インフラを当たり前のように活用し、そこから新しい価値が次々と生まれることでしょう。さらに、異なる産業が交わることで、新たなビジネスやサービスの創出が加速するでしょう。
XGMFは、組織を超えてつながり、新たな価値を創出するプロジェクトが次々と生まれ、わくわくする場となるよう、皆さんと一緒にチャレンジしていきたいです。
  • 伊藤陽介氏
  • XGMFファシリテータ
    伊藤陽介氏
XGの進化を通じて、私たちは「ワイヤレスの産業化」から「産業のワイヤレス化」、さらに「ワイヤレスの社会インフラ化」へと進む時代にいます。私たちが目指すXGは、単なる通信技術の延長ではなく、テクノロジーの飛躍的な進化、いわば「非連続性」を前提とした社会と産業の新しい形を創る挑戦です。この挑戦を支えるのは、ワイヤレス・ネットワークとAIをはじめとする新たなデジタル技術の融合、そして組織や業界、国境を超えた連携と協力です。XGMFは、これを実現し、新たなビジネスの可能性を広げながら、持続可能な社会を築き、日本の発展を目指す場です。「非連続性」への期待を胸に、目の前の課題にも真剣に取り組む。この対比が生む挑戦を通じて、新たな可能性を切り拓いていきたいです。
  • 島田啓一郎氏
  • XGMFファシリテータ
    島田啓一郎氏
XGMF~「6G」モバイル通信への私が感じる歴史的な期待
モバイル通信(移動端末による遠隔リアルタイムコミュニケーション)は、マルコーニから約130年の歴史になります。その間に能力は12~16桁も改善しました。その進歩は、その役割を劇的に拡大しています。初期は高額なコスト負担のため、防衛などの特殊業務目的にしか使えませんでした。コストパフォーマンスが数桁改善したら、業務連絡や個人の重要連絡に使えるようになりました。さらに数桁の改善で、共感目的の用途が普及し、近年のスマホとSNSの社会が生まれます。6Gモバイルの時代はこの次の進歩を受けた社会・産業・暮らしになります。実世界と人工世界がつながり、融合し、還流します。遠隔化・自動化・3D化などが進み、メタバースやデジタルツインと呼ばれる概念が普及し、社会課題解決にも貢献するようになります。この5G、Beyond5G、6Gの団体は、その「みらいづくり」を皆さんと進めていきます。
  • 西岡誠治氏
  • XGMF事務局長
    西岡誠治氏
XGMFでは、会員各社が抱く「やりたいこと」を起点にプロジェクトを通じて仲間づくりと協創を進めています。その成果は各社のビジネスに活用され、さらに次のXGMF活動の新たな種となり、次の協創へとつながる好循環を生み出すことを目指しています。また、XGMFは単なるプラットフォームにとどまらず、Beyond 5G/6G時代を見据えた国際的な協業の基盤としての役割を果たしたいと考えています。技術革新と協創が交わるこの場で、次世代のビジョンを共に描き、未来を切り拓いていきましょう。
JA